読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

OBAKE's blog

夢のあとさきに降るのは星の瞬き

君の匂いがするよ (MORSE 東京グローブ座)

本日23日、観劇してまいりました。
とてもよかった!
思ったよりもお話演出ともに見やすかったです。

ネタバレ含む感想考察です。






君の匂いがするよ

1幕最後の台詞です。
ふと、純粋に出てきたであろう言葉なのに、とても染みる一言でした。オスカーにとって今まで家や学校で得たこのない安心をエリと一緒にいることで感じたのかなと。
小説ではすっぽんぽんのエリが入ってきて添い寝なんですが劇中は演出がとても素敵だった。 
出会った直後にもいい匂いとはいえないエリの匂いをかいでたりするんだけど、そのスンスンがもはやのんすけでとても可愛い。


映画は見てないのですが、翻訳のMORSEの小説はひと通り読んでからの観劇となりました。
この作品は一貫して登場人物全員に安心や平穏というものがあまり感じられないというか(ブラッケベリという土地の描き方もあるのかな…)、それぞれの異常なところが際立って描かれているなとふと今日観劇してて思って。まぁそりゃ、ホラー要素あるしあまり明るい物語でもないのでそりゃそうだろと言われればそうなんだけれども。
でもその中で、オスカーとエリは不思議な、非日常的安心感と恐怖感を入り交ぜたような関係性が成り立っていて、2人の複雑かつ純粋さがより際立って見える、そんな作品だなと。
でも、本で読むよりもやはりのんすけのもともと持っている明るい陽の雰囲気が出てて全てが暗いわけではなくて。笑ってしまうシーンはまた千秋楽まで様々に変化がたくさんあるんだろうなと。

のんすけのオスカーはやはり可愛らしく12歳でまだ青い春というか目覚めてもないね?ってお年頃で。(それでも、劇中で毛が云々あるけど)
でもエリと出会ってから変化していく。その変化にアル中の両親からは扱いにくいやら言われてるけど、まだまだ可愛い時期ではある。剣と称してナイフを掲げ紙で作った王冠とブランケットマントを着用して遊ぶ様はまさにその象徴な気がして。姫を守る!とかドラゴンと戦う!とか、エリが姫じゃなくドラゴンだったらそれでもいいよ、でも、戦いたくないなぁ…とか。
嗚呼、可愛い。可愛い盛り。

しかしながらエリの殺戮シーンよりもアル中ママンの添い寝がかなり危ないかほりで。なんというか、抱き枕にしてるんだけど脚が出ちゃってるから、あからさまな感じで。まぁ、ママンはきっと寂しかったり、不安だったりするのかなとか。

あと、「ママ」っていうオスカーめちゃくちゃ可愛い。そのあとヨンニを怪我させてから諸々あってママをクソ女って罵るのも最高…っ…おっと作品の登場人物に対して異常だとほざいておきながら実は私の思考が一番危ないかもしれない。

それはさておき
今回は12歳ということでサイズ感の問題上いつも以上にのんすけ猫背なんですけど、ふと気づくと大きいなぁと。
ママンに帽子をかぶせてもらう時も頭を前屈みにさせられてるし。他のいじめっ子の同級生よりもやはり…でも仕草や喋り方は12歳相応な感じで、可愛い。

でも、恐怖に慄く姿や、いじめの屈辱に対しての苦悶の表情、エリと出会った瞬間や会話での戸惑いなど、オスカーは今までに見たことのないのんすけを引き出してくれました。

あと血を交わす誓いのシーン、ブラブラ(Blood Brothers)でもあったんですけどね!(勝手に胸熱)
この作品ではオスカーのおててに血のりべったりな上に飢えてたエリが豹変する…という具合で。あれ、のんすけ血はめっぽうダメなほうじゃなかったかしら…と思い出したりもした。


今回総括するとホラーでもサスペンスでも、オスカーは何してもまるっと可愛い。

エリ役の三上さんの身のこなしが美しくかつ人間離れしたしなやかで俊敏な動きが素晴らしくて。壁フライングもお手の物でした。すごい…。
それから、エリの声が徐々に変化していくところ。オスカーと出会った頃は、長い長い間寒さや暑さを感じず、光を避け、挙句様々な感情すらも忘れていたような、機械的というか、何もない単調な喋り方だったのに、オスカーと話すうちに少し温かみのある声になっていく。彼もまたオスカーと出会うことで変わっていく。
あと、エリが頭から出血するシーン、あれは仕掛けどうなってるのかとても興味がある…そして血が床に垂れるんでいちいち暗転時にスタッフさんが拭き拭きされるんですが、それがJr.芸そのものでお話と関係ないのについつい見てしまいました。

あと、ホーカンの硝酸。あれはなんなのー!なんで煙が出るのー!と終演後軽くググったけどわからなかった…スモーク用の液体なのかな…それ以外のものだよ!とかもしご存知の方はコッソリ教えてください←

私的には今回とてつもなく恐れていたシーンというか、話の流れがあって。
それでだいぶビクビクしながら観に行ったんですが。
ホーカンが死に損なってゾンビなクリーチャーになりはて安置所から脱走、街を森を徘徊して最後エリとの死闘を繰り広げる、というくだり。
まさかお化け屋敷よろしくとんでもない特殊メイクの方が客席を徘徊されるのでは…と怖くて仕方なかったんですよ。



まるまるカットでした(=゚ω゚)ホッ



それでも人が3回くらい逆さ吊りにされてたりエリが肩車からの脚を相手の首に絡みつけて逆さになってそのままその首を…あー思い出したらまた痛い怖い。

あと痛い怖いシーンといえばラストのヨンニとミッケとインミの手足やら生首吹っ飛ぶシーンはどうするんだろうと思ったら血は真っ赤な照明で、あとはSEとエリの動き、バラバラ小道具落下、でした。なるほど。



あと、今回私が小説で好きなんだけど劇中になかったシーンがあって。
それがエリはキスをすることによって自分の過去に見た映像を相手に見せることができるという特殊能力を使ってオスカーに自分の過去を見せるというシーンなんですけど。
キスしている2人の影を映像の中央として、舞台後方の建物のセットにプロジェクターでエリの過去を流してほしかったなーと。勝手に考えてたんですけど。まぁそのエリの過去を撮るのに手間暇かかっちゃうよね…と思いつつ。(※私が勝手に考えただけで劇中にはないです。)


あとは舞台的には面白いところやアドリブが入りそうだなというところもたくさんで、見どころだらけです。長いようなあっという間のような時間でした。
最後のカーテンコールで座長として真ん中に立っているのんすけを見て、あぁ、素敵なカンパニーに入れてもらえたなぁとしみじみしてしまったり。

あと、お芝居の話に戻しますが、プールの殺戮後、エリからオスカーは着るものを一つずつ手渡してもらうんだけど、エリは自分の箱から出してくれるんです。で、着終わったあとオスカーは首元くんくんしてて。
エリの匂いがしたかな?
とかとんでもないシーンの後なのに、急に微笑ましくなってしまったり。

最後は、エリを入れた箱を持って電車に乗っている。エリとともに旅立つオスカー…というところで終わります。


劇中でエリは「ぼくのエリ」、になるけれども、私的にお話としては
ぼく「の」エリ
というよりは
ぼく(オスカー)「と」エリの物語


という風に感じました。

説明的な台詞が一切ないけれども、演出や舞台の状況でなんとなくわかるし、見やすいけれども、いろんなメッセージの詰め込まれた作品でした。

もう1回見たい(=゚ω゚)