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OBAKE's blog

夢のあとさきに降るのは星の瞬き

コインロッカーベイビーズ

最高でした。しかしトラウマと大好きがいっぺんにできる舞台、そうそうないよね。

こちらがまずトラウマとなりました…そう、コインロッカー。しばらくコインロッカーに荷物は預けられそうにない。

f:id:ahoeight:20160608181147j:image←赤坂のコインロッカーね

開演して真田さんが役者になっててびっくらこいたのもつかの間、ナンダコレハなリアリティの感じられるペイントのある赤ちゃんコスチュームと迫力のダンスとコーラス。

この時点で私、泣いてました。

怖いんじゃなくて久々に舞台を観劇できた嬉しさからですね。色々あって行きたかった舞台逃し続けてたんで、つい。

で、それで、私てっきりストレートプレイすると思ってたんです。ほんと原作も読まなければ何の予備知識もネタバレも踏まずに観劇しまして、余計びっくりしたんですよね。

でもヤバイっていう噂は耳にしておりました。はい。

ヤバかったです。

そして、 めっちゃロックミュージカルやん…(補足としては感情高ぶったところで歌ってたから音楽劇というより個人的にはミュージカルだった。めっちゃ宝塚。そりゃそうかキムシンだもんな…。)

しかしROLLYさん出たはる時点でロックだと気がつくはずなのに…私の目は節穴だ…。因みにマッドマックスの音楽が好きならきっとこの音楽たち好きだよ!と言いたくなって観劇後ツイッターでバカみたいに呟いてましたが別にマッドマックスは関係ないです。でもコーフン度合いはメーター振り切ってます。

そしてこれまた感激したのは音楽監督の方がブラブラ(BLOOD BROTHERS)と一緒!!(えびざとかのジャニ舞台の音楽もされてる方でした)

幕下りて挨拶終わってから最後の最後までバンド演奏で送り出してくださるんですけど、素晴らしかったです。帰れないよ…結局最後まで聞いてしまった。

劇中の音楽にはハシとキクがコインロッカーでの精神的ショックの療養のために聞かされていた心拍音を始めとするノイズテイストも入るのですが、ガツンとくるので私は結構好きなんですよね。

そしてハシはその音を探し求めるようになって、ここでの狂いっぷりも好きで。それを見てこらえながらも耐えられなくなっているキクの図に胸が痛む。

音が物語を突き動かすキーにもなっていて1幕終わりはお芝居の激しさにのめり込んでいたのもありつつ音疲れも若干伴いました。私はやばーい!っていう溜息というよりは、衝撃の方が強かったです。

そしてヤバい要素としてはまず美しい人たちの肉体をこれでもかと堪能できるということ。少年たちよりも上裸上演時間長かったよ…。そして橋本くんに関してはパンイチになるし手枷足枷されちゃうし河合さんに関してはキスシーンもだけどアネモネの服のボタンを外していくんですな…たまらん。

そしてキクこと河合さんのビジュアルが美しさ満開で素晴らしかったです。美の暴力です。ハシが言うんです、いつもキクは美しかった。僕はそうじゃないって。

いやお前もなかなか美しいからな???意味わからないくらい美しいからな???

という心のツッコミはさておき。

お話に関して予備知識のなかった私がタイトルを聞いて真っ先に思い浮かんだのは宝塚のEarnest in loveのハンドバッグは母親ではない手荷物預かり所は父親ではないと歌うブラックネル夫人の歌唱シーンと瀬奈じゅんさんアーネストの赤ちゃんコスが頭をよぎりまして。因みにこの作品は木村信司先生の脚本演出です。ええ。

そして観劇途中本編では口紅塗ったハシ、もとい橋本くんが出てくるんですけどこれまた宝塚の不滅の棘の1幕最後、春野寿美礼さんが口紅を拭うシーンとか思い出して…って別にハシは拭ってないんだけどここでもやっぱり脚本演出はキムシン(敬称略)なんです…大体なんとなく癖が…っておい。いや、でもね、ハシの口紅の色がなんというか、なんともやらしいんですよ。うわーって。なんというか、男娼の色でした。なまめかし…。橋本くんにこの役を背負わせた運命に乾杯…。

と、これまた話は逸れましたが私の脳裏に過ぎった過去の記憶とは全く別物の美とコケティッシュファンタジアなヤバイ芸術作品、という事は言うまでもなく。

あと結構グロテスクなんです。ベイビーズなダンサーさんたちも。生々しいペイント施したお衣装、ことあるごとに出てきては絡みついたりオタ芸したりするんですけどこれが結構こわい。そして現代的なようで異空間、異空間なようで現代的、そこに突き刺さる台詞の数々。

グロテスクといえばハシも舌を出してなにしでかすのかと思った瞬間舌を切り真っ赤なお口となってしまう演出で私は固まりました…。なかなかアレなシーンもありつつボロボロになっていくハシを見てると心が痛むんだけど。美しい人が狂うと絵面が素晴らしいな、と。

因みに、芋洗坂さんの七変化と歌も素晴らしいかったです。キモさマックスな狂人タクシー運転手と最後ののほほんヘリの操縦じぃさんの振り幅たるや。

アネモネ昆夏美さんも振り幅振り切っていてやっぱり素晴らしい…こんな可愛らしいのにペットがワニとか…。それに、どんなアイドルよら可愛く歌い踊る姿は必見です。ベイビーズのオタ芸はここで見れます。そして「あなたの舌がやわらかくてよかった」っていう台詞に胸をぎゅっと鷲掴みにされました。

そしてカンパニーの皆さんのそれぞれの独特な毒っ気のある存在感がコインロッカーベイビーズの世界観をあらわしてるようで。犠牲となったベイビーズダンサーの毒々しさのなかに存在する白いパンツに上裸のハシとキク。まるで彼らだけは純粋で、彼らだけは間違っていないような、だからこそ彼らだけが浮き彫りになってしまうような演出で。あ、私の記憶が間違いでなければそんな感じでした。←おい

この物語で私が感じたのはキクはこの世界が間違っていることに気づいて粉々に壊すための策を企て実行する。

ハシはこの世界で生きていくために探し続けていた音を聞けると信じて、そして強く生きるためにわざと自分を窮地に晒すべく大切な人を手にかける…。

どちらにせよこの舞台の中の世界が悲劇でその中で足掻いて生きる彼ら自身も悲劇で。思い返すととても胸が苦しくなる。

 

ラストシーン、全てを破壊してまっさらなゼロの状態になる。

きちんと存在するのは、真っ白な3人だけ。清々しいくらいのラストだけど、作品の根底にある現実へのぬぐいきれなかった果てしのない絶望が後からより濃く浮き出てきた気がしました。

劇中コインロッカーに閉じ込められていた記憶もともなって何度もあつい、とハシが言うんだけれども、観劇後の私が熱い…熱でもあるんかなってくらいのコーフン冷めやらぬ状態。

激しく散文しましたが、要は観劇できてよかったです。大好きで、トラウマ。

最後にキクのセリフを

「目に見えないあらゆるものを、粉々に叩きつぶし、元に戻すしかない」

ほんまそれな。

 

ではこれから余韻に浸りながらパンフを読むとします。